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【コラム】Vol.40 猫の額

Vol.40 猫の額

ちょっと素朴な疑問なのですが、猫さんのヒタイって「狭い」というのが相場なんですけれども、ほんとにそんなに狭いのでしょうか？そもそも、猫さんの額ってどこからどこまでなんでしょうか？気になったら調べてみるのが、猫とも新聞。
今月は、猫さんの「額」を見てまいりましょう。2021年7月号（通巻133号）の巻頭特集から抜粋して、を検証します。

 

 

猫さんの額はホントに狭い？

猫さんの額は、どこなのか。広辞苑に頼りましょう。
ひたい【額】顔の上部の、眉と髪の生えぎわとの間
・・・。猫の顔、毛だらけです。どうしましょう？
２００１年に、人工知能研究センターから出た『日本人頭部寸法データベース２００１』によると、日本人の頭幅平均は、15.84cmなんだそうです。この値を基準に算出すると、右の彼女のおでこは約99㎠。弊社猫・トト坊のおでこは、約31㎠。ほぼ三分の一しかありません。
しかし、顔に占める額の面積からいえば、人は８％でトト坊は16％。顔の大きさが違いますから、実寸では敵いませんが、比率を見れば存外広いのです。

 

額をくっつけてくるのはなぜ？

愛しの猫さんが、目を細めておでこをこすりつけてくるのは、とろけるほどうれしいものです。
猫さんが額を擦りつけてくるのには、いくつか理由がありますので、おさらいしましょう。

●「この人 私の！」

つまり、大好きな飼い主さんに他の猫がちょっかい出さないように自分のニオイをこすりつけてマーキングしているわけです。
よそのウチの猫をさわったり、猫カフェで遊んできたりした場合、ヨソモノのニオイを自分のニオイで上書きしてしまおうという目的も出てきます。

●「ねぇねぇ　お願い♥」

思うに、額を擦りつけたとき、飼い主さんの顔がにやけ、もとい、とろけたのを、猫さんはちゃんと見ているのです。そのときに、〝額をスリスリすれば、我が飼い主殿はなんでもいうことを聞く〟と学習したんでしょうね。ごはんを催促するときやブラッシングしてほしいときなんかに、おねだりのサインとして頭をこすりつけてきます。

●「おはよう」「お帰り」のご挨拶

猫さんは、親しい同士のご挨拶として、ほほや額を寄せ合います。これもマーキングの一種ですが、ナワバリを主張する強いメッセージというよりも、「今日はどんな感じ？」「よ、調子はどう？」といったご機嫌伺いみたいなもの。軽いご挨拶です。

●「痒い～の」

たまにですけど、ヒゲの付け根が痒いとか耳が痒いとかでこすりつけてくることもあるみたいです。
鼻の下伸ばして「おやおや、なにか御用？」なんて聞いたときに、痒いだけだったら切ないですね。

●頭突きだって同じです

やさしく額をこすりつけるどころか、バイ～ンと頭突きをかましてくることもありますが、頭突きもやっぱり愛情表現。飼い主さんが好き過ぎたり、とってもおやつが食べたい気持ちが爆発して頭突きとなるのでしょう。
だから、うれしく受け止めてあげたいところですが、難点がひとつ。彼らは非常に頭が硬いんです。
頭突きを自分のおでこで受け止めると、猫さん本人は平気であっても、受け止める人の方にはケッコウな衝撃が走ることを覚えておきましょう。

 

 

猫さんの「額」は愛の庭

検証の結果、確かに狭いことがわかった猫さんの額ですが、お顔に占める割合はとても大きく、人とのコミュニケーションにおいては愛情伝達の役割を担っていることもわかりました。〝猫の額ほどの庭〟なんて言い方に使われますが、その庭にはいっぱいの愛情が詰まっているのです。
猫さんと暮らしていない人のために、左の写真を用意しました。存分におでこをくっつけて、愛を吸収してください。

 

記事協力 / 猫とも新聞
2023年6月22日更新