あれやこれや / 猫とも新聞

【コラム】Vol.44 猫さんがサンタクロース

猫に関するあれやこれや

Vol.44 猫さんがサンタクロース

今年もクリスマスの季節がやってきました。サンタさんが出番待ちをしています。
でも、いちばん身近なサンタさんはスグそばにいることにお気づきですか？
そう、うちの猫さんです。
私たちは、猫さんからは、知らず知らずのうちに、たくさんの贈り物をもらっているのです。今月は、2021年1月号（通巻127号）を抜粋して、猫さんがくれる贈り物の数々を再確認してまいりましょう。

癒し

ただ居眠りしているだけで、あるいは水を飲んでいるだけで、見る人の心を和ませてくれるのですから、猫さんは実に偉大な存在です。見ているだけでなく、撫でたり抱きしめたりすれば、その効果はさらに増幅します。その効果は科学的にも解明されています。
猫さんに触れると〝幸せホルモン〟と呼ばれる「オトキシン」が分泌されます。オトキシンは、もともと、母乳を出すホルモンとして知られていました。赤ちゃんがママの乳首を吸うと分泌され、母乳を出す役割をしているのです。その後、研究が進み、オキシトシンが私たちの心と身体にさまざまなポジティブ効果を及ぼすことがわかってきました。
オキシトシンは、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を抑制してストレスを緩和し、副交感神経の働きを刺激して不安を和らげてくれます。そのうえ、オキシトシン増加に伴って「セロトニン」が分泌され、ほっこりとした幸福感を生み出してくれるのです。

健康

猫さんと暮らすことで、私たちは知らず知らずのうちに、健康上の恩恵を受けています。
例えば、心臓発作や脳梗塞、循環器系の疾患のリスク軽減。猫と暮らしていない人より暮らしている人の方が心臓発作が起きる確率が40％低いという研究結果が出ています。
また、ミネソタ大学の研究では、猫さんと暮らすことは、脳梗塞のリスクを33％、命に関わるような循環器系の疾患を30～40％低減させるという結果が出ました。
血圧やコレステロール値に関しても、猫さんと暮らしている人の方が低いといわれています。３ページでもご紹介した通り、猫さんとふれることで分泌されるオキシトシンが、ストレスホルモン「コルチゾール」の過剰分泌を抑制。コルチゾールには血圧を高める作用がありますので、結果、血圧が抑えられるというわけ。
コレステロールに関しては、コレステロール処方薬より猫を飼った方が値が下がったというカナダの研究があります。猫さんがいることで、高コレステロールの原因となる「トリグリセリド（中性脂肪）」が少なくなるんだとか。
猫さん自身、ケガをしたときや具合が悪いとき、ノドをぐるぐると鳴らすことがあります。このときのノド鳴らし音は、うれしいときのゴロゴロと比べて低めの音。25～１５０Hzの周波数です。１９９３年に、25〜50 Hzの振動がウサギの骨折の治癒を早めたという報告がなされており、猫さんの低いゴロゴロ音も骨や筋肉の損傷の治りを早めるという可能性が指摘されています。実際にフランスでは、猫のゴロゴロ音からヒントを得た骨折治療が行われているのだとか。
また、７０００人を対象に行った、インディアナ大学の大規模調査では、猫の動画を見ると仕事の効率が上がるという結果が報告されました。猫動画を見た後では前向きな気持ちが高まる一方、不安や否定的な感情は薄らぐ傾向があることが分かったといいます。対象者のうち「猫好き」と答えた人は36％でしたから、スキキライにかかわらず、猫さんは平等にやる気と元気をくれるみたいです。
そのほかにも、うつ病や自閉症の患者さんへのセラピー効果など、猫さんの健康への効果は計り知れないものがあります。
その贈り物に感謝しつつ、今日はたくさん「ウチの仔」を撫でてあげましょう。

使命

猫さんと暮らすことは、やれごはんだ、やれトイレ掃除だとやることがたくさんあります。髪の毛を振り乱すくらい忙しい時に限って、遊べ遊べと要求されて、うるさく思うことだってあるでしょう。でも、哀しいことがあって、気持ちがいちばん底まで沈んだときに、猫さんのお世話という『使命』が心を支えてくれることだってあるのです。
「ごはんちょうだい」が、どん底にいる人を支えてくれるなんて、猫さんは、なんとまぁ、どエラい存在なのでしょうか。

安眠

寒くなって、猫さんがお布団に入ってきてくれる季節です。猫飼いさんには、うれしい季節ですね。一人で眠るよりも、猫さんと一緒に寝る方が良く眠れる、という人は多いものです。イギリスで行われたアンケートでは、恋人より猫と寝るのを好む方も少なくなかったんだとか。冬の夜は、そのぬくもりもありがたいものですが、枕元で寝てくれる猫さんの場合、その寝息が人の気持ちを落ち着かせてくれるのではないでしょうか。

たまに、イビキをかいたりするのも、また、かわいいものですよね。