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【コラム】Vol.18 愛しき三毛猫

Vol.18 愛しき三毛猫

この世にはあまたの猫さんがいて、思い思いの色柄でその身を飾っています。猫とも新聞でも、猫さんの毛色によって性格は違うんですかとか、この仔はなんて毛色ですかと聞かれることが多いですね。
そこで、これからしばらくの間、過去の記事から猫さんの毛色に関するものをご紹介してまいりたいと存じます。
まずは、みんなのアイドル「三毛猫さん」を、2014年3月号（vol.45）の巻頭特集から抜粋・補足してご紹介します。

 

 

三毛の呼び方 in the world

ひとくちに「三毛」といいますが、実は、柄の出方によってさまざまな呼び方があります。

 

◆ 三毛

基本的には、白地に赤ともう黒また茶の三色の毛を持つ仔が三毛ですが、黒が多めの三毛を「黒三毛」、茶が多めの三毛を「キジ三毛」という場合も。

 

◆ 縞三毛

黒や赤のブチ部分に縞模様が出ている三毛さんが「縞三毛」です。縞がある分、色が薄まって見えるので、ダイリュート（下記参照）と見間違えることもあります。

 

◆ トビ三毛

白地が多く、赤や黒のブチが混じらずにポツポツとある三毛さん。キャラクターなどに描かれる三毛さんはトビ三毛であることがほとんどです。

 

◆ ダイリュート

全体的に淡い色合いの三毛さんは、色を薄くするダイリュート遺伝子を持つ仔。ダイリュート・キャリコと呼ばれます。毛が青や銀に見えるので、「青三毛」「銀三毛」という呼び方も。

 

 

三毛さんはほとんどがメス

三毛さんは、そのほとんどがメス。オスは高値で取引されることがあるほど希少です。でも、どうして？
人も猫さんも、性別を決める染色体の組み合わせは同じで、ＸＸならメス、ＸＹならオスとなります。染色体は、いろんな遺伝子情報を持っていて、毛色を決める遺伝子ももちろん染色体上にあります。ただし、茶色い毛になる遺伝子と黒い毛になる遺伝子は、Ｘ遺伝子上にしか存在しません。しかも、ひとつのＸ遺伝子には、黒か茶のどちらかしか載せられないのです。だから、黒い毛も茶色い毛もある三毛柄が出現するためには、どうしてもＸ染色体が２本必要なのです。
オスなのに三毛という場合は、何かの拍子でＸＸＹという染色体の組み合わせが生まれてしまった場合。ですから、オス三毛に生殖能力はなく、一代限りのさだめなんですよ。

 

 

当世三毛好き気質

少し古いデータになりますが、DIMSDRIVEの『Ranking Research』が公開しているアンケート調査「あなたが今後、飼ってみたいと思う猫の種類を教えてください」では、三毛さんは堂々の２位でした。
詳しく見てみると、女性が飼いたい順位は20代＝２位、30代＝３位、40代＝３位、50代＝２位、60代以上＝２位。高めですが、決して１位にはなりません。これが、男性の場合、40代と50代で１位になっていて、働き盛りの猫好き男子には高い人気を誇っているのです。やっぱり女性的な雰囲気が男性を惹きつけるのでしょうか。
そんな三毛さんは、見た目もキレイですし、切れ長の目をした仔が多いことも手伝って、「三毛はプライドの高いお姫さま気質」なんてことがよく言われます。気分屋で、素っ気なくいかとおもうと急にベッタリ甘えてくる「ツンデレ」だ、とも。
そこで、三毛猫さんと暮らしている人が集まると「三毛さんはそんな仔じゃない」という話で盛り上がったりします。「ウチの仔は素直でやさしい」「ウチの仔はいつも私を気遣ってくれる」エトセトラ。三毛さんがいかにいい仔かを力説するのが三毛飼い気質」と申せましょうか。
三毛さんには賢い仔が多いという定説があることも書き添えておきましょう。

 

記事協力 / 猫とも新聞
2021年3月22日更新