【コラム】Vol.36 じゃらし じゃらされ
Vol.36 じゃらし じゃらされ
皆さま、本日も猫好きですか^^; 猫さんがお好きなら、とことん喜ばせてあげたいと思うのが人情。たくさん遊んで、たくさん猫さんに好かれてください。そのために必要なのが猫じゃらしのテクニック。略してじゃらしテク。
今月は、2021年10月号(通巻136号)の巻頭特集から抜粋して、じゃらしテクの片鱗をお届けします。
目指せ じゃらしマスター
猫カフェなどに取材に行くと、ときどき達人みたいな人がいて、お店据え付けの何の変哲もないじゃらしで、猫さんたちをうきゃうきゃと喜ばせ倒しています。一方で、ただじゃらしをブラブラさせているだけで、なかなか猫さんに食いついてもらえない人も…。どう見たって、猫さんを喜ばせている人の方が、そうでない人より楽しそう。
そう。猫さんをじゃらしている人は、実は、猫さんにじゃらされているともいえるのです。どうやったら、猫さんにたくさん喜んでもらえるのでしょうか。今月は、じゃらしについて探求して、〝じゃらしマスター〟への道を見つけようと思います。
じゃらしの効能
じゃらしには、ただただ猫さんと遊ぶだけでなく、たくさんの役割があります。
●狩りの練習
猫さんは、遊びの中から狩りのテクニックを学びます。「狙う」。「威嚇する」。「飛びかかる」。「捕まえる」。「口でむしる」。ですから、上手にじゃらすには、猫さんの身体に流れるハンターの血を刺激することが大切です。
●ストレス解消
おうちでの猫さんは、いっつもヒマそうにしてはいませんか?まるで刺激のない暮らしというのは、それだけでストレスが溜まります。コロナでおうち待機が増えた人なら分かっていただけますよね。それに、大きな騒音や香水のニオイ、来客、切れそうでチカチカしている蛍光灯などもストレスです。思いっきりじゃらして、ストレスを発散させてあげましょう。
●身体トレーニング・認知症予防
じゃらしで遊ぶことは、そのまま運動です。猫さんが持っている、もともと高水準の身体能力は、遊びのうちにさらに鍛えられます。だんだん年を取ってきて、なかなか遊ばなくなってきても、じゃらしにじゃれつくことで、筋肉の衰えや認知症の予防などにもつながります。せっせと遊んであげましょうね。
●社会的ルールを学ぶ
多頭飼育している方ならばご存じかと思いますが、猫さんにはなかなかの社会性があります。じゃらしを振っていても、きちんと順番を守って、自分の番が来るのを辛抱強く待っていたりするのです。こんなルールや気遣いも、じゃらしから学んでいるんですよ。
●飼い主さんとのコミュニケーション
おうちで飼われている猫さんは、ずっと飼い主さんの庇護のもとにありますから、ずっと仔猫気分が抜けません。そりゃあ大人になれば、仔猫のときほど激しい遊び方はしませんが、飼い主さんと一緒に遊ぶことは、猫さんにとっても楽しみのひとつ。「食事をくれる人より遊んでくれる人が好き」なんていっている動物学者さんもいるくらいです。毎日遊んで、猫さんのハートをゲットしてください♥
基本は『狩り』
●エモノになりきれ!!
じゃらしの効能は「狩りの練習」とご紹介しました。ですから、じゃらしの基本は『狩り』の真似っこ。遊んであげるあなたの役目は、エモノです。持てる演技力をすべてかき集めて、獲物になり切りましょう。
●エモノには好みがある
猫さんには、それぞれ個性があって、好きなエモノもそれぞれ違います。基本的には、
高いところを飛翔するターゲットを狙う「鳥派」
地上の狭いところを這うものに反応する「ヘビ派」
部屋の端っこをちょこまか動くやつを狙う「ネズミ派」
小さくて予測不能な動きに興味を示す「虫派」
に分かれますが、弊社猫・フーちゃんのように、カーペットの下をモゾモゾ動くものに容赦なく戦いを挑む「モグラ派」なんて仔もいます。
いろんな動きを猫さんに見せて、いちばん反応のいい動きを見つけてくださいね。「うちの仔は○○派だ」とわかったら、そのものになり切りましょう。
●ハンティングの作法
猫さんのハンティングは
獲物をロックオン → 攻略方法をシミュレーション → ハンティング開始(追いかけっこの始まりです) → エモノをGET
という段階を踏みます。
じゃらす時も、この作法にのっとって、
じゃらしを猫さんに気づかせる → 攻略方法を練り終わるの待つ → レッツ!追いかけっこ → 獲物をゲットさせて終了
という流れで行ってください。
●追いかけっこ開始まで気長に待つ
猫さんの中には、攻略方法の完成まで時間がかかる仔います。ちょこちょこっとじゃらしを振っただけで、猫さんが反応しないからとあきらめてしまってはなりません。猫さんの脳内では、「この次にこう来たら、あーしてこーして…」と作戦会議中なのです。気長に待ってあげてくださいね。
エモノになり切る!!
では、イザ、実践!
<鳥>
まずは鳥から。実際の鳥のようにふわりと飛び立って、バタバタバタッと音をさせます。届きそうで届かないところを旋回。猫さんの手が届きそうになったら、ツイッっと逃げたりしてみましょう。写真は、ホンモノの羽毛を使ったじゃらしですが、ベーシックなタイプでも大丈夫。
<虫>
床の上を小刻みに動かしたり、不規則にジグザグさせて虫の動きを再現。急に止まってみたり、突然動き出したりして、猫さんを翻弄しましょう。
<蛇>
リボンタイプのじゃらしを使ったヘビ真似テク。手首にスナップを聞かせて、横方向に打ち出し、ニョロニョロとロープをくねらせて。
じゃらしはあなたと猫さんの絆!
最初は上手くコミュニケート出来なくても、毎日遊ぶうちに、猫さんの好みは深くわかるし、あなたのテクニックは上達するしで、どんどんじゃらしのコツがわかってきます。じゃらしはあなたと猫さんの絆です。いっぱい遊んでじゃらしマスターの道を歩んでくださいね。
記事協力 / 猫とも新聞
2023年2月22日更新