【コラム】Vol.39 猫さんの歩き方 〜クールなキャットウォーク〜

猫に関するあれやこれや

Vol.39 猫さんの歩き方 〜クールなキャットウォーク〜

今年は季節が早いですから、あっという間に梅雨、そして、暑い夏がやってきそうです。でも、雨だから、暑いから、と、お部屋にこもってばかりではいけません。時間を見つけて、歩きに出かけましょう。猫さんは毎日のパトロールを欠かしませんよ。
そうだ。今月号では、猫さんの「歩き方」をご紹介しましょう。
今月は、2016年6月号(通巻73号)の巻頭特集から抜粋して、「猫さんの歩き方」を検証します。

 

 

抜き足 差し足 猫の足

猫さんの歩みの特徴といえば、音を立てずに歩けるところ。
狩猟型の生き物である猫さんは、獲物にけどられないようにそぉ~っと近づかなければなりません。そこで、足音を立てないように進化したわけです。
足音を立てない秘密は3つ。
 ①プニプニの肉球がクッションとなって、衝撃音を立てないようにします。
 ②爪を自在に引っ込めることができるので、爪をしまえないワンコさんのようなかちゃかちゃした音を立てずにすむのです。
 ③最後に、後ろ足の骨の長さ。
哺乳類には、ヒトでいえば足の甲の部分の骨に当たる「中足骨」という骨があります。猫さんの後ろ足の「中足骨」は、前足(手)にある「中手骨」と較べると、2倍の長さがあるのです。ちなみに、ワンコの場合、中手骨と中足骨の長さはほとんど一緒です。
中足骨が長いとどうなるのか。
足の方が長くなるので、ふつうにしていれば、肩よりお尻の方が高くなるはずです。
ところが、猫さんは、中足骨を曲げて、少しお尻を落として中腰気味に歩きます。
すると、後ろ足のスプリングにゆとりができて、しなやかな動きを可能にするのです。
足に力を入れて地面に飛び降りると、衝撃も強く、大きな音がしますよね。
足の甲を曲げて、つま先からそうっと降ろしてみてください。あまり音がしないでしょう。
猫さんは、これを無意識のうちにやってのけているのです。
う~ん。猫さんってやっぱりハイスペック。

 

ヒトの歩み 猫の歩み

哺乳類の歩き方は、次の3種類に分けられます。

【蹠行性】

蹠行性は「せきこうせい」または「しょこうせい」と読みます。「蹠」というのは、足の裏のことです。
つまり、「蹠行性」というのは、文字の通り、足の裏を地面に接触させる歩き方のこと。熊や霊長類、そして、私たちヒトの歩き方がこれにあたります。二本足で立ち上がることで一世を風靡したレッサーパンダの風太くんも蹠行性です。

【指行性】

指行性(しこうせい)は、指だけを地面に接触させる歩き方のこと。ヒトでいえば、つま先立ちで歩いている感じです。猫さんの歩き方はこれにあたります。

【蹄行性】

蹄行性(ていこうせい)は、地面にひづめを接触させる歩き方のこと。ヒトでいえば、つま先どころか、爪の先で歩いている感じ。…ムリですけど。牛や馬、象・カバなどひづめを持つ動物の歩き方です。

 

下の図をご覧ください。蹠行性動物代表ヒト、指行性動物代表ネコ、蹄行性動物代表ウマの脚の骨格比較です。

ヒトでは、つま先とカカトが平行に位置しますが、ネコやウマでは、カカトがかなり高い位置にあることがわかるでしょう。
馬さんなど、ヒトでいえば脇の下にあたるような位置にヒザが来ています。
馬などの蹄行性の動物は、とにかく速く走ることだけに脚を特化させています。とにかく速く、まず逃げること。
その点、指行性の動物は、特に手(前足)をほかのことにも使うので、脚の役目は走ることだけではありません。
猫さんが器用に手でドアを開けたり、木に登ったり、獲物を〝チャイ〟したりできるのはご存じの通り。
その代わり、歩幅の拡大や跳躍力の強化などで走る機能を補足しています。
動物学の遠藤秀紀教授は、その著書『動物解剖学』の中で、「チーターや飼いネコの運動性は、他の動物種では観察されたことがないほど高度に高速化している」と述べています。
走ることだけに特化した草食動物、手先の器用さで文明を切り開いたヒト、その間にあって、指行性の猫さんは、素早い動きと手先の器用さ双方を手に入れたのです。

 

物の間を歩く

高級なガラス食器の陳列棚を平然と歩く猫さんの映像を観たことがある方も多いでしょう。落としたら大変とヒヤヒヤしますが、猫さんはどこ吹く風。その映像を、猫カフェで再現しました。
弊社には高級ガラス食器などございませんので、大小の酒瓶を並べて、猫さんに自由に歩いていただいたのです。
その様子が下の写真。

 

興味のあるビンのニオイを嗅ぎながら、つまり、後ろのことなどなにも気にせずにさくさく歩く猫さん。後ろ足が別のビンに当たるのでは…と思いきや、後ろ足を上に持ち上げて器用に障害物をクリアしているのがわかります。
しっぽで上手にバランスを取っているのも見て取れますね。
しっぽの話は、上の「高い所を歩く」で触れていますので、ここでは、なぜ、後ろを気にすることなく、障害物を避けられるのかを考えてみましょう。
猫さんのヒゲは優れたアンテナです。このヒゲで、障害物の大きさや隙間の狭さ、空気の流れなどを読むことができます。しかも、このおヒゲ、顔の周りだけではなく、前肢にもあって、歩きながら周辺をサーチしているのです。
そんなにも敏感なアンテナを持ちながら、物を倒して歩く場合は、ほぼ100%ワザとです。
かまってほしい猫さんがあなたの気を惹くためにやっているので、少しの間手を休めて遊んであげてくださいね。

 

記事協力 / 猫とも新聞
2023年5月22日更新

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