【コラム】Vol.16 大人猫 vs 赤ちゃん猫 / 猫さんに関するあれやこれや

猫に関するあれやこれや

Vol.16 大人猫 vs 赤ちゃん猫
家族に迎えるならどっち?!

明けましておめでとうございます。令和にゃー年に続く、令和みゃー年ということで誠におめでたい。本年も猫とも新聞をどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、新年最初のお題は、大人猫vs赤ちゃん猫 家族に迎えるならどっち?! です。
猫や犬をモチーフに作品を作る作家さんに、犬好きさんと猫好きさんの違いを伺ったことがあります。犬好きさんは飼っている犬種の作品を常に探していて、大変にこだわりがあるんだとか。一方で猫好きさんは、全部の猫が好き。
でも、〝ウチの仔〟にする場合、仔猫と大人猫とどちらを選ぶかは、案外悩みどころです。あなたなら、どちらを選びますか?
今月は、猫とも新聞71号の巻頭記事を改訂・補足して、そのヒントをお届けいたします。

 

仔猫の魅力・大人猫の魅力

力んで説明する必要もないかと思いますが、仔猫の魅力は、そのあどけなさ。
おぼつかない足取りでよちよちと歩くさまも、なんにでも興味を示してじゃれつくところも、安心しきって眠りこける姿も、すべて可愛い無垢な天使です。
一方で、大人猫の魅力はあんまり知られていない感じ。包容力とか社会性とか、ホントは、仔猫にない魅力がたくさんたくさんあります。
そこで、赤ちゃん猫と大人猫の魅力を徹底比較しましょう!

 

仔猫:ぜったい懐く小さな暴君

撮影協力:アニマルエイド

 

猫さんは幼い頃から家族にすれば、確実に懐いてくれます。まさに「うちの仔」になってくれるのです。
コドモですから、その分、お世話は大変。食事の世話や健康管理には、大人猫以上の労力を要します。イタズラだって、大人猫の比ではありません。家具なんか目も当てられないことになります。それに、仔猫は大きくなることだけで精一杯ですので、周りに気を遣うことはあまりありません。あなたが疲れていようが、これから出かけなきゃいけなくてあわてていようが、かまってほしいときはかまってほしい!それが仔猫です。
それがまた可愛いんですよねぇ。
仔猫がいる間は、たいていの人が会社を休もうかと考えたり、実際に休んだりしています。だって、ずっと仔猫といたいんだもん。
それから、もう一つ。出逢ったばかりの仔猫は、どんな大人猫になるのか誰にもわかりません。臆病なのか、甘ったれなのか、イタズラ大魔王なのか、それとも…。
一緒に成長していく楽しみも仔猫の醍醐味。
あっという間に大きくなってしまいますから、仔猫を迎え入れたら、貴重でイチバン可愛い仔猫時代を存分にご堪能くださいね。

 

カラスにご用心

カラスは仔猫を襲うことがあります。外で暮らす猫さんの場合はもちろん、家で暮らす仔も、ベランダに出た瞬間にさらわれることがあります。ゆめゆめご注意くださいませ。

 

病気に弱い…

人でも猫でも、幼い頃は、ちょっとしたことで体調を崩しがち。仔猫の場合、母猫の初乳からもらった免疫(移行抗体)が薄れてくる生後6~13週くらいはウイルス性の風邪などにかかりやすくなります。
みなさんのお家にくる仔は、少なくとも8週齢を過ぎていると思いますが、やっぱり健康管理には十二分に気を遣う必要があります。

 

爪がイタい!!

仔猫は生後一ヶ月くらいまで爪をしまうことができません。その後も、しばらくは爪を上手にしまえずにいます。そのうえ、仔猫の爪は細くてすごく尖っています。
だから、ジャレさせていると、皮膚を薄~く引っかかれること必定。編集長は、ジーパンを一本ダメにしました。

Photo by psyberartist

 

恐怖の2時間おき授乳

もしうちの仔が仔猫を生んだ、あるいは生まれたてを保護した、という場合、とにかくつきっきりでのお世話が必要です。生後1週間以内なら2時間おき、1日に7~8度の授乳しなければなりません。寝不足必至。排尿のケアもしなければなりませんが、その分、培った絆は固く、離れがたいものになります!

photo by Noa Cafr

 

小さなデストロイヤー

仔猫と暮らすなら、ちょっとした覚悟が必要です。障子は破く、カーテンは引き裂く、チェストの上の飾り物はたたき落とされる、イスの張地は傷だらけです。
それもこれも成長の証。壊れるものを出して置いた自分が悪いと諦めてください。「こんなこともできるようになったんだね」くらいの寛容の気持ちを持ちましょう。

photo by yoppy

 

とにかくむやみに可愛い!!

説明する言葉も要りません!!

photo by 0x010C

 

 

大人猫:心が通い合う 無二の存在

猫さんと暮らしていると、うちの仔とだけ通じる「我が家語」ができてきます。うちの仔がドアの前に座って「びゃっ」と短く鳴いたら『ドアを開けて』だな。帰宅したら出迎えてくれた猫が「みゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃ」とうるさく鳴いたら『遅い!どこ行ってたの!』って言ってるんだな。そんな感じです。
同時に、猫さんもこちらのやりたいことや言うことがだいたいわかってくるもの。猫さんに甘ったれたいときに抱きしめると、しばらくの間だけガマンしてくれたりします。 長年連れ添った夫婦のように、別におしゃべりをするわけでもなく、一緒にご飯を食べるでもなく、なんとな~く同じリビングにいてお互い好きな場所に陣取って…。
お互いの存在がストレスになることもなく、一緒にいるだけで心地よく満たされる。そんな関係が築けるのも大人猫さんならでは。
あなたが猫さんのことをわかっているように、きっと猫さんもあなたのことをわかってくれている。大人猫さんは、心が通い合う唯一無二の存在になってくれるのです。

撮影協力:猫カフェ「猫の部屋

 

一緒に暮らす前から性格がわかる

大人になってから迎えられる猫さんは、すでに性格形成が整っているので、どんな猫さんなのか、ほぼわかっています。
ですから、距離感を保ってのんびりと猫ライフを楽しみたい人、いつでも一緒のラブラブ生活を楽しみたい人、一緒に遊んで暮らしたい人。それぞれの思い描く猫ライフにぴったりの猫さんを探すことができますよ。

 

お留守番させやすい

きちんと面倒を見てあげなければいけない仔猫をお留守番させることは、心配ですし、なかなかムリがありますが、大人になった猫さんは大丈夫。もともと単独行動をする生き物ですので、食事と水さえきちんと用意しておけば多少の不在はガマンできます。
ただし、甘ったれ猫さんの場合、帰ってきてからひどくなじられることになりますので、その辺はご覚悟ください。
長めにお留守番させるときは、水・食事に加え、予備のトイレと飼い主さんの臭いがついたタオルなども用意しておきましょう。

 

高齢になっても飼いやすい

人もある程度の年齢になったら、うにゃうにゃうるさくて元気な仔猫は手に負えないことが多くなります。
猫さんが20年近く生きるようになった今、仔猫が天寿を全うするまで面倒を見ることに不安を感じて、猫と一緒に暮らすことをあきらめる方も増えてきています。
そんな方は、ぜひ、大人猫さんとの暮らしを考えてみてくださいね。

 

きちんと気持ちをわかってくれる

猫さんは意外に社会的な動物です。町でよその猫と出逢ったときは道を譲りますし、小さな仔やケガをした仔がいるときはごはんを先に食べさせてあげたりするんです。
なにかで落ち込んでいるときに愛猫がそっと寄り添ってくれたという話も、よく耳にします。
先代弊社猫のラグくんは、編集長が病気のときはやさしく添い寝をしてくれました。けれど、甘ったれて仮病を使ったときは、近寄りもしてくれなかったんですよ。よくわかってるんです。
そう。大人になった猫さんは、こちらの気持ちをきちんと汲んでくれることが多いのです。
仔猫の状況を顧みない「かまって♪」攻撃も可愛くてうれしいものですが、大人猫さんとのゆったりと心を通わせる暮らしはなにものにも代え難いものなのです。

 

記事協力 / 猫とも新聞
2021年1月22日更新

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